理系からマーケティング、そして営業へ
——異なる分野をつなぐキャリア
高校2年のときに迫られた「文理選択」。
周囲には「古文はやりたくないから」「歴史が苦手だから」といった理由で理系を選ぶ同級生も多くいました。
「将来やりたいこと」が明確に決まっていなかった私が理系を選んだのは、「理系に進んだ方が選択肢が広い」と思えたから。やりたいことが分からない当時の私にとっては、キャリアの幅を狭めないことが一番大事だったのです。将来像を描けていなかったからこそ、柔軟に進める道を残したい――その気持ちが出発点になりました。

大学で出会った「人と環境を考える建築」
大学では生活環境学部・住環境学科に進学しました。といっても、建築に強い興味を持って選んだわけではありませんでした。住環境学科で学んだのは工学的な「建物を建てる技術」だけではありません。人が暮らす空間をどう設計するか、人が心地よく過ごすにはどんな環境が必要か――技術と人間の生活を一体として考える視点がありました。
住む人を起点に建築を学んだ経験は、「技術は人の生活に結びついてこそ意味を持つ」という気づきにつながり、後の仕事観の土台になりました。
就活で大切にした「働く環境」
就職活動が始まったとき、私は「この仕事がしたい」という強い志向はありませんでした。重視したのは「一緒に働く人と合うか」「会社の雰囲気が自分に合うか」という職場環境でした。
構造計画研究所の説明会に参加したとき、他社と比べて印象的だったのは、押し売りのような強引さがなかったことです。採用担当者が自然体で話してくれ、「選ばれる側」というプレッシャーを感じませんでした。肩の力が抜けるような感覚で、「この雰囲気なら自分も合うかもしれない」と思えました。
さらに、建築・防災・情報など幅広い事業領域を持っていることも魅力でした。当時の私は「ゼネコンに行きたい」「ハウスメーカーで働きたい」という志望もありませんでした。だからこそ、入社後にさまざまなキャリアの可能性を選べる環境に惹かれたのです。

最初のキャリアは「クラウドサービスのマーケティング」
入社後は3ヶ月間のOJTで複数の部門を回りました。その中で興味を持ったのが、メール配信システムを扱うクラウドサービス部門でした。“メール”という身近なサービスだからこそ、ユーザーの気持ちを汲み取りながら仕事がしやすいのではないかと感じて、自ら希望を出し、配属が決まりました。
ここでの仕事の中心はWebマーケティング。アクセス解析、サイト改善、コンテンツ作成――自分の施策が数字に表れる仕事でした。施策を打った後に数値が変化するのを確認できること、自分がつくったコンテンツが資産として残り続けること。そのどちらも大きなやりがいでした。
学生時代に学んだ建築は「形として残るもの」をつくる学問でした。クラウドサービスは全く異なる分野でしたが、「成果が目に見える」「自分の取り組みが形に残る」という点で、意外な共通点を見出すことができました。
また、この部門は若手社員が多く、分からないことを学び合う文化がありました。本を持ち寄って勉強会を開き、一人ひとりがテーマを担当して解説しました。研修や自己学習に加えて、仲間とともに知識を積み重ねたことも大きな財産になりました。
「建築出身でなくても挑戦できる分野」で成果を実感できたこと。それが私のキャリアの幅を一気に広げる基盤になりました。

顧客と向き合う営業職への挑戦
クラウドサービス部門を2年間経験し、「お客様とお会いして、直接ニーズを伺いながら提案する仕事を経験したい」と思うようになり、営業部門への異動を希望しました。
現在は、建設・プラント業界向けの3Dスキャナー「NavVis(ナビビズ)」を扱う営業を担当しています。レーザーで建物を点群データとして取得し、現場を3Dで可視化できる製品です。
顧客はゼネコンやプラント業界の大手企業から中小の建設会社まで幅広く存在します。一度計測したデータを使うことで、現場に行かずに現場の情報や設備の寸法を確認できるため、出張費や工数の削減に役立ちます。耐震補強などの調査や設計の検討にも用いられています。
異動当初は名刺交換すらぎこちない状態でした。先輩のOJTに同行し、資料をつくって提案の練習を重ねながら、一歩ずつ営業スキルを身につけていきました。専門性の高い製品であるため知識が追いつかず、顧客の課題に対応する難しさを感じることもありました
それでも「お客様の課題を理解し、技術を組み合わせて解決策を考える」過程は刺激的でした。ただモノを売るのではなく、他部門と連携し、他ソリューションと組み合わせてKKEが解決できることを提案します。チームで提案をつくり上げられることが、この仕事の大きな魅力だと感じています。

独自のキャリアパスを歩んできて
私のキャリアは、同級生の多くが歩んだ「ゼネコンやハウスメーカーの設計職に進む」という王道とは異なっていました。ITのクラウド分野を経て、現在は営業職。就活時の「この仕事がやりたい」ではなく、「幅のある会社を選ぶ」という判断も少し変わっていたと思います。
構造計画研究所には、建築出身だけでなく、機械・情報・防災など多様なバックグラウンドを持つ社員がいます。異なる価値観や知識に触れることで、自分の視野も広がりました。
理系出身者の強みは、必ずしも研究内容を直接生かすことではないと思っています。数値を扱い、論理的に考え、技術の仕組みを理解しようとする姿勢――その基盤は、分野を超えて応用できます。クラウドサービスのマーケティングでも、現在の営業職でも、その力が自然と役立っています。
学生へのメッセージ:「今の選択」にとらわれなくても大丈夫
理系出身者には「専門性を突き詰めなければならない」という無言のプレッシャーを感じる方もいると思います。しかし実際に働いてみると、専門外に挑戦することがマイナスではなく、むしろ自分の視野や強みを広げる良いきっかけになっていると実感しています。
学生の皆さんに伝えたいのは、「今の自分の選択が未来をすべて決めるわけではない」ということです。高校で理系を選んだときも、大学で学科を決めたときも、私は強い意志を持って選んだわけではありませんでした。それでも、そのときの小さな選択が、今の自分につながっています。
社会人になってからも、「この選択はよかったのか」と立ち止まる瞬間はあります。けれど、その迷いも含めてキャリアの一部ですし、違う道に進んだからこそ見える景色もあります。私自身、専門性に縛られずに歩んできたことで、想像もしなかった仕事や人との出会いに恵まれました。
キャリアは一直線ではなく、揺らぎや寄り道の中で形づくられていくものだと思います。ですから、今進路に迷っている方にも「迷っていること自体が可能性」だと捉えてほしいです。

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