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【コース10-1】AIは脅威かチャンスか?理系学生がチャンスを掴む3つの力|ステップ学習『AIとともに生きる』

AIは仕事を奪う脅威ではなく道具。理系は技術理解・翻訳力・創造力でAIを使いこなし価値を生む。

2025/12/26
【コース10の記事一覧は▶をクリック】
コース10AIとともに生きる ー これからの共生ライフ
10-1AIは脅威かチャンスか?理系学生がチャンスを掴む3つの力
10-2AIに代替されない人間へ ― 理系が育てる「心」と「発想」
10-3AIで学び・研究・バイトが変わる ― “効率×創造”の学生革命
10-4AI時代の就活戦略 ―自分の価値を最大化する時間を生み出すツール
10-5AIとの上手な付き合い方。理系学生に必要な倫理と責任
10-6AIで変化する社会 ― 働き方と採用ニーズの未来図

導入 ― AIは敵か味方か

「AIが仕事を奪う」という見出し、もう見飽きていないだろうか?

メディアは不安を煽ることで注目を集めるが、現実はもっと複雑で、実は面白いものだ。

PCが普及したとき、事務員の仕事はなくなっただろうか?

メールが当たり前になって、仕事がなくなった人がいただろうか?

答えは「いいえ」だ。

問題は「何が変わったか」ではなく、「時間をどう使うか」。

そして、理系の君たちには、この変化を“チャンス”に変える力があるはずだ。

 

AIとは、そもそも何者なのか?

AIは「強力な道具」だ。計算・認識・予測が得意な、非常に優秀なアシスタント。

しかし、道具はあくまで道具。使う人間の質によって結果が変わる。

・AIが得意なこと:膨大なデータ処理、パターン認識、反復作業

・人間が得意なこと:発想、着想、文脈理解、戦略的思考、感情の理解

藤井聡太九冠の例を見てみよう。

将棋AIは彼よりも計算が早いが、彼の「人間にしか指せない手」は今でもAIを驚かせる。

日本経済新聞によると、藤井九冠は「AIの計算をどうやって人間が感性として自分のものにできるかが鍵」と語っている。

 

歴史が教える本当のパターン

技術革新の歴史は「仕事をなくす話」ではなく、「仕事を変える話」だ。

PC登場(1980年代〜)

計算作業は自動化されたが、より複雑なデータ分析が生まれた。

メール普及(1990年代〜)

手紙や電話の業務は減ったが、コミュニケーション量は爆発的に増加。

「メールを使いこなせる人」とそうでない人との差が拡大した。

インターネット(2000年代〜)

情報収集の方法は変わったが、「情報を活用する力」が重要に。

Webデザイナーやデータアナリストなど新しい職種が次々に誕生した。

共通するパターンは何だろうか?

「時間の使い方を変えられた人が勝った」ということだ。

 

未来予測とAIの位置づけ

オムロン創業者が提唱したSINIC理論によると、私たちは「最適化社会」から「自律社会」へ移行しようとしている。

自律社会では、自立した個人が連携し、人間の感性と技術が融合する。

つまり、AIが進化する時代こそ、人間らしい発想力と創造性が武器になるのだ。

 

AIと人間の共演:藤井聡太が教えてくれること

将棋界は、AIと人間の関係を考える上で最高の実例だ。

藤井九冠の強さの本質は、「AIの評価を人間の言葉に翻訳する力」にある。

AIが示す数値を感性で理解し、自分なりの戦略に落とし込む。

これこそが、理系学生に求められる力なのだ。

  • AIが提供するデータを理解する力
  • それを人間の文脈に翻訳する力
  • 新しい発想や戦略を生み出す力

 

現実 ― 奪われる仕事もある

理想論だけを語るつもりはない。

実際、AIによって職を失う人も増えている。

2025年7月だけで米国では1万人以上がAIを理由に職を失い、2023年以降の累計では27,000件を超えた。

特に影響を受けているのは:

  • 初級職の求人減少(前年比15%減)
  • テクノロジー業界での解雇増加(前年比36%増)
  • 単純作業・定型業務の自動化

しかし重要なのは「何が残るか」

AIスキルを求める求人は過去2年で400%増加している。

つまり、「AIを使いこなせる人材」への需要は急増しているのだ。

 

差別化は「創造」と「文脈理解」にある

理系学生の君たちが、これから身につけるべき力は次の3つ。

  1. 技術の本質を理解する力

    AIがなぜその答えを出すのかを理解し、限界と可能性を見極める。

  2. 人間の文脈に翻訳する力

    データを「意味のある情報」に変換し、社会の課題解決につなげる。

  3. 新しい発想を生み出す力

    AIが思いつかない視点を探り、異分野を組み合わせて革新を起こす。

     

結び ― 恐れるより、どう活かすか

AIを敵ではなく、最強のパートナーとして活用する。

理系学生の君たちには、論理的思考力、問題解決力、新しい技術への柔軟な適応力がある。

必要なのは「視点の転換」だけ。

「AIに仕事を奪われる」と考えるか、「AIで新しい価値を生み出す」と考えるか。

その選択が、君たちの未来を決めるだろう。

時代は変わる。けれども、変化に適応し、それを自分の武器に変える力こそ、人間の最大の強みなのだ。

AIと共に進化する未来の使い手として、一歩を踏み出してみよう。

 

参考文献

 

次の章はこちら→【コース10-2】 AIに代替されない人間へ ― 理系が育てる「心」と「発想」