
研究から、TECH人材をヒーローに。
『TECH人材をヒーローに』するべく、 「これから研究に取り組みたい学生」や「研究活動に没頭している学生」の活動を研究の切り口から応援します。
【1-4】研究で本当に鍛えられる力は、専門知識だけじゃない|研究コラム1『研究って何?』
専門知識は氷山の一角。研究で磨くべきは、論理的思考や粘り強さという一生モノの「OS」だ。泥臭いプロセスを最強の武器に変換せよ。
このコンテンツは熱々カレーライス主義に基づいて、ちょっとおせっかいで、スパイスの効いた表現や内容にしています。 熱々カレーライス主義って何なの?という方は、まずはこちらをご覧ください。
「自分の研究はあまりにニッチすぎて、将来の仕事には役立たないんじゃないか?」
研究室での日々が深まるほど、そんな不安が頭をよぎることがあるかもしれない。例えば、世界で数人しか使わないような特殊な数式をいじっていたり、特定の微生物の挙動をひたすら追いかけていたりすると、「これ、社会に出て何になるの?」と感じるのは無理もないことだ。就活が近づけば、その焦りはさらに強くなるだろう。
でも、断言しよう。研究で得られる真の価値は、その「専門知識」そのものよりも、研究というプロセスを通じて磨かれる「OS(基盤となる力)」にある。
今回は、研究室という名の「修行場」で君たちが手に入れる、一生モノの武器について話をしよう。これを理解すれば、就活への不安は「自分の力をどう証明するか」という前向きな戦略に変わるはずだ。
君たちの中に眠る「理工系コア能力」という最強のスパイス
研究を進める中で、君たちは無意識のうちに多くのスキルを使いこなしている。テックポータルでは、これらを「理工系コア能力」と呼んでいる。これは、どんなに技術が進歩しても、あるいは君たちが研究とは全く違う業界に進んだとしても、決して腐ることのない汎用的な能力だ。
具体的には、以下のような力が挙げられる。
- 論理的思考力:複雑な事象を整理し、因果関係を解き明かす力。
- 課題解決力:正解のない問題に対し、仮説を立てて実行し、改善する力。
- やり抜く力(グリット):地味な実験や失敗の連続にも折れず、目標へ向かう力。
- 技術的コミュニケーション力:専門外の人にも分かるように、事実と意見を分けて伝える力。
これらは、単なる「知識」ではない。何度も泥臭い実験を繰り返し、壁にぶち当たる中でしか身につかない「体感的なスキル」だ。まさに、自分だけのカレーを最高に美味しくするための、秘伝のスパイス調合技術のようなものだと言える。
もっと詳しく知りたい君たちへ
理工系コア能力の具体的な中身や、自分が今どのレベルにいるのかを知りたいなら、こちらのページをチェックしてみてほしい。
▶理工系コア能力について(コース別ステップ学習3-4-1)
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企業が本当に見ているのは「成果」ではなく「プロセス」だ
就活の面接で「研究でどんな成果を出しましたか?」と聞かれた時、「学会で賞を取りました」とか「世界初の発見をしました」といったキラキラした実績を話さなきゃいけないと思っていないだろうか?でも、それは大きな誤解だ。
企業(特に技術職の採用担当者)が本当に知りたいのは、君たちが「どう考え、どう動いたか」というプロセスだ。
例えば、企業アンケートでは、選考にあたって特に重視した点として「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」などが上位に挙げられている。また、経済産業省の資料でも、産業界が求める人材像や人材育成の方向性が整理されている。なぜなら、会社に入ってから直面する課題もまた、正解のない未知の領域だからだ。
| 学生の思い込み | 企業のリアルな視点 |
|---|---|
| 「すごい発見をしないと評価されない」 | 「失敗したとき、どう原因を分析して次に活かしたか」が見たい |
| 「専門が違う会社には役立たない」 | 「未知の分野を理解し、自分のものにする学習能力」が見たい |
| 「言われた通りに実験してデータを出した」 | 「自分で問いを立て、工夫したポイント」が見たい |
君たちが研究室で、装置が動かなくて頭を抱えた日。データが予想と違って頭が真っ白になったあの日。そこで「なぜ?」と考え、自分なりの工夫を加えたことこそが、企業にとって喉から手が出るほど欲しい「理工系コア能力」の証明になるんだ。
就活に活かすヒント
研究で得たスキル・経験をどう言語化し、アピールすればいいのか。そのヒントはこちらにまとめている。
▶企業が評価するスキルと研究経験の見方(コース別ステップ学習3-4-2)

同じ研究でも「差が出る」ポイント
ただし、研究室に籍を置いているだけで、こうした力が自動的に身につくわけじゃない。研究を単なる「卒業のための作業」としてこなすか、自分を磨く「フィールド」として活かすかで、1年後の君たちの姿は劇的に変わる。
1. 「指示待ち」を卒業し、自分の「問い」を持つ
先生や先輩に言われた通りに手を動かすのは、ただの「作業」だ。たとえ小さなことでもいい。「もっと効率的な手順はないか?」「このデータの違和感は何だろう?」と、自分なりの「問い」をトッピングしてみよう。その主体性が、能力を爆発的に成長させる。
2. 「失敗のプロセス」を言語化して残す
うまくいった結果だけをノートに書くのはもったいない。「なぜ失敗したのか」「次はどう変えるのか」という思考のプロセスを記録しておこう。そうやって試行錯誤したストーリー・経験は、就活で語れるエピソードになり、将来の仕事でも大いに役立つ。
3. 研究室という「組織」から学ぶ
研究室は、年齢も考え方も違う人間が集まる一つの社会だ。意見が対立したときの調整、後輩への指導、限られたリソースの奪い合い……。これらはすべて、社会に出たときのマネジメントやチームワークの予行演習になる。
テックポータルからのメッセージ:研究は君たちを裏切らない
「研究なんて、社会に出たら無駄になる」なんて言う大人がいたら、そっと距離を置こう。彼らは、研究の本質を知らないだけだ。正解のない世界で、自分の頭で考え、泥臭く手を動かし、一つの答えを導き出す経験。それは、どんな職種、どんな人生を選んだとしても、君たちを支え続ける最強のバックボーンになる。
今、君たちが向き合っているその地味な実験や複雑な計算は、君たちという「熱々カレー」を最高に美味しくするための修行期間だ。焦る気持ちはわかる。でも、真剣に研究に向き合った時間は、絶対に君たちを裏切らない。
👉まずはここから始めてみよう!
今日一日、研究室でやったことを「作業」としてではなく、「どんな能力を使ったか」という視点で振り返ってみよう。「今日はデータの異常値に気づいたから、論理的思考力を使ったな」といった具合だ。その小さな意識の積み重ねが、君たちのキャリアを切り拓く大きな力になる。テックポータルの「企業のリアルな姿」をのぞいて、自分の力がどう活かせそうか想像を膨らませてみるのもおすすめだ。
次は【1-5】研究はゴールじゃない ― 選択肢を広げるフィールドだで、研究の先にある多様な未来について考えていこう。
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参考文献
- 経済産業省「理工系人材育成に関する産学官行動計画」 https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/entaku/keikaku.html
- 文部科学省「中央教育審議会 大学分科会 大学院部会(第84回)配付資料」 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/004/gijiroku/attach/1404676.htm
- 一般社団法人 日本経済団体連合会「2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」 https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/110.pdf
