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【3-3-1】低学年からできること:興味を“点”で持つな、“線”にしろ|研究コラム3『希望の研究室』

専門が決まる前の今こそ仕込み時。断片的な興味を繋いで「線」に育て、自分だけの熱々な未来をプロデュースしよう。

2026/01/29

このコンテンツは熱々カレーライス主義に基づいて、ちょっとおせっかいで、スパイスの効いた表現や内容にしています。 熱々カレーライス主義って何なの?という方は、まずはこちらをご覧ください。

 

「まだ専門科目も始まったばかりだし、研究室のことなんて考えられない」

「そもそも、自分が何の研究をしたいのか、具体的なテーマなんて決まってない」

1年生や2年生の君たちが、そう思うのは当然だ。専門的な知識がまだ足りない段階で「研究テーマを選べ」なんて言われても、それは無理難題というもの。

でも、ここで一つ勘違いしないでほしい。

「やりたいことが決まっていない=何もできない」ではないんだ。

むしろ、具体的な専門が決まる前の今だからこそできる、最高に価値のある「仕込み」がある。それが、君たちの興味を「点」から「線」へと繋げていく作業だ。

今回は、人気研究室の先生が思わず唸る「選ばれる学生」になるための、思考のレシピを伝授しよう。

 

「興味」は最初は、雑なスパイスでいい

研究室選びにおいて、多くの学生が陥る罠がある。それは、「完成された、立派な志望動機が必要」という思い込みだ。

「〇〇教授の論文を読み込み、△△の触媒を用いた××の反応機構において、新しい知見を見出したいと考えています」

……こんなこと、配属前の学部生が言えたら逆に怖いくらいだ(もちろん、言えるに越したことはないが)。

テックポータルが提唱する「熱々カレーライス主義」では、最初の興味は「雑」でいいと考えている。

  • 「なんか、AIと医療が組み合わさるのってカッコよくね?」
  • 「地球温暖化を止めるには、やっぱりデータの力が必要な気がする」
  • 「ロボットがもっと滑らかに動くには、どんな素材がいいんだろう?」

これらはすべて、まだ「点」の状態だ。バラバラのスパイスがキッチンに並んでいるだけ。でも、それでいい。問題は、その「点」を打った後、君たちがどう動くかだ。

 

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「点」を「線」にするということ:興味の“履歴”が武器になる

研究室の指導教員が、学生の面談や志望理由書で見ているのは「今の知識量」だけではない。それ以上に、「その興味が、どういうプロセスを経て今ここにあるのか」というストーリーを見ている。

例えば、ここに二人の学生がいるとする。

  • 学生A(点の興味):

    「ドローンに興味があるので、この研究室を志望しました」

  • 学生B(線の興味):

    「1年生の時にニュースでドローン配送を知って興味を持ち(点1)、2年生の時にテックポータルの記事で『制御工学』がその肝だと知りました(点2)。自分でもPythonを少し触ってみて、プログラミングで物が動く面白さに気づき(点3)、この研究室の『自律制御』というテーマに辿り着きました」

どちらの学生と「一緒に研究したい」と思うかは一目瞭然だろう。

学生Bは、自分の興味を追いかけた“履歴”を語っている。これが「興味を線にする」ということだ。

たとえ途中で「やってみたけど、自分には合わなかった」という試行錯誤があってもいい。むしろその「変遷」こそが、君たちの興味が本物であることを証明する強力な裏付けになる

 

具体アクション:今日から始める「仕込み」のレシピ

では、具体的にどうやって「線」を引いていけばいいのか。難しい論文を読む前に、まずは以下の3つのステップを試してみてほしい。

📚 1. テックポータルで「未知のスパイス」に触れる

大学の講義だけが学びの場じゃない。テックポータルには、企業の技術的なチャレンジや、最先端の研究テーマが「テクノテイメント」として掲載されていることがある。

まずはパラパラと記事を眺めてみて、「あ、これちょっと面白そう」と思うワードを探してみよう。それは、君たちにとっての「最初のスパイス(点)」になる。

📝 2. 「気になったワード」の定点観測(メモ)をする

スマホのメモ帳でもノートでもいい。日付と一緒に、気になった技術や単語を書き留めておこう。

「2026/2/15:量子コンピュータ。まだよく分からないけど、計算速度がエグいらしい」

これだけで十分だ。数ヶ月後に見返したとき、自分の興味がどう変化したか、あるいは何に一貫して惹かれているかが、可視化された「線」として浮かび上がってくる。

🎫 3. イベントや研究紹介を「冷やかし」で見に行く

低学年でも参加できるハッカソンや、学内のオープンキャンパス、公開講座。これらに「まだ詳しくないから」と尻込みするのはもったいない。

「よく分からないけど、行ってみた」という行動そのものが、線を太くする。そこで得た「やっぱり難しすぎた」「ここは面白かった」という生身の感情こそが、後の志望理由にスパイスを効かせることになるんだ。

 

データが語る「自律的探求」の強み

なぜ、こうした「興味のプロセス」が重要なのか。

経済協力開発機構(OECD)が進める「Future of Education and Skills 2030(Education 2030)」の枠組み(Learning Compass 2030)では、これからの時代に重要な概念の一つとして「エージェンシー(agency)」が位置づけられている。

OECDのコンセプトノートでは、学生のエージェンシーについて、目標を設定し、振り返り、責任をもって行動して変化を起こす力として説明されている。また、エージェンシーは文化や文脈によって捉え方が異なりうる概念だとされている。研究室での活動は、まさに「正解のない問い」に挑む場だ。

先生は、君たちが「自分でスパイスを選び、味を整えようとしてきた履歴(線)」を見ることで、研究室に入った後も自走できるエージェンシーがあるかどうかを判断材料にすることもあるんだ。

Column: 「興味が変わった」は失敗じゃない

「1年の時は化学に興味があったけど、今は情報系が気になる……一貫性がないと思われないかな?」

そんな心配はいらない。むしろ、「なぜ化学から情報へ興味が移ったのか」を説明できるなら、それは立派な「線」だ。 異なる分野を渡り歩いた経験は、将来「情報の力で化学の課題を解決する」といった、君だけのユニークなキャリア(カレー)の隠し味になる。

 

まとめ:君たちの「仕込み」はもう始まっている

「行きたい研究室に行く」ための戦いは、配属希望調査のボタンを押す瞬間に始まるのではない。

今、このコラムを読み、「へぇ、そうなんだ」と何かを感じたその瞬間が、最初の「点」だ。

専門知識は後からいくらでもついてくる。でも、君たちが何に心を動かされ、どう動いたかという「履歴」は、今この瞬間から積み上げていくしかない。

さあ、まずはテックポータルの記事をもう一つ読んで、気になった単語をメモしてみよう。

その小さな一歩が、数年後、君たちを「憧れの研究室」へと導く一本の確かな線になるはずだ。

 

次は【3-3-2】低学年からできること:研究に役立つ基礎スキルを身につける。そのスキルの内容と身につけ方について見ていこう。

 

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