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『TECH人材をヒーローに』するべく、 「これから研究に取り組みたい学生」や「研究活動に没頭している学生」の活動を研究の切り口から応援します。
【3-3-1】低学年からできること:興味を“点”で持つな、“線”にしろ|研究コラム3『希望の研究室』
専門が決まる前の今こそ仕込み時。断片的な興味を繋いで「線」に育て、自分だけの熱々な未来をプロデュースしよう。
このコンテンツは熱々カレーライス主義に基づいて、ちょっとおせっかいで、スパイスの効いた表現や内容にしています。 熱々カレーライス主義って何なの?という方は、まずはこちらをご覧ください。
「まだ専門科目も始まったばかりだし、研究室のことなんて考えられない」
「そもそも、自分が何の研究をしたいのか、具体的なテーマなんて決まってない」
1年生や2年生の君たちが、そう思うのは当然だ。専門的な知識がまだ足りない段階で「研究テーマを選べ」なんて言われても、それは無理難題というもの。
でも、ここで一つ勘違いしないでほしい。
「やりたいことが決まっていない=何もできない」ではないんだ。
むしろ、具体的な専門が決まる前の今だからこそできる、最高に価値のある「仕込み」がある。それが、君たちの興味を「点」から「線」へと繋げていく作業だ。
今回は、人気研究室の先生が思わず唸る「選ばれる学生」になるための、思考のレシピを伝授しよう。
「興味」は最初は、雑なスパイスでいい
研究室選びにおいて、多くの学生が陥る罠がある。それは、「完成された、立派な志望動機が必要」という思い込みだ。
「〇〇教授の論文を読み込み、△△の触媒を用いた××の反応機構において、新しい知見を見出したいと考えています」
……こんなこと、配属前の学部生が言えたら逆に怖いくらいだ(もちろん、言えるに越したことはないが)。
テックポータルが提唱する「熱々カレーライス主義」では、最初の興味は「雑」でいいと考えている。
- 「なんか、AIと医療が組み合わさるのってカッコよくね?」
- 「地球温暖化を止めるには、やっぱりデータの力が必要な気がする」
- 「ロボットがもっと滑らかに動くには、どんな素材がいいんだろう?」
これらはすべて、まだ「点」の状態だ。バラバラのスパイスがキッチンに並んでいるだけ。でも、それでいい。問題は、その「点」を打った後、君たちがどう動くかだ。

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「点」を「線」にするということ:興味の“履歴”が武器になる
研究室の指導教員が、学生の面談や志望理由書で見ているのは「今の知識量」だけではない。それ以上に、「その興味が、どういうプロセスを経て今ここにあるのか」というストーリーを見ている。
例えば、ここに二人の学生がいるとする。
学生A(点の興味):
「ドローンに興味があるので、この研究室を志望しました」
学生B(線の興味):
「1年生の時にニュースでドローン配送を知って興味を持ち(点1)、2年生の時にテックポータルの記事で『制御工学』がその肝だと知りました(点2)。自分でもPythonを少し触ってみて、プログラミングで物が動く面白さに気づき(点3)、この研究室の『自律制御』というテーマに辿り着きました」
どちらの学生と「一緒に研究したい」と思うかは一目瞭然だろう。
学生Bは、自分の興味を追いかけた“履歴”を語っている。これが「興味を線にする」ということだ。
たとえ途中で「やってみたけど、自分には合わなかった」という試行錯誤があってもいい。むしろその「変遷」こそが、君たちの興味が本物であることを証明する強力な裏付けになる。
具体アクション:今日から始める「仕込み」のレシピ
では、具体的にどうやって「線」を引いていけばいいのか。難しい論文を読む前に、まずは以下の3つのステップを試してみてほしい。
📚 1. テックポータルで「未知のスパイス」に触れる
大学の講義だけが学びの場じゃない。テックポータルには、企業の技術的なチャレンジや、最先端の研究テーマが「テクノテイメント」として掲載されていることがある。
まずはパラパラと記事を眺めてみて、「あ、これちょっと面白そう」と思うワードを探してみよう。それは、君たちにとっての「最初のスパイス(点)」になる。
📝 2. 「気になったワード」の定点観測(メモ)をする
スマホのメモ帳でもノートでもいい。日付と一緒に、気になった技術や単語を書き留めておこう。
「2026/2/15:量子コンピュータ。まだよく分からないけど、計算速度がエグいらしい」
これだけで十分だ。数ヶ月後に見返したとき、自分の興味がどう変化したか、あるいは何に一貫して惹かれているかが、可視化された「線」として浮かび上がってくる。
🎫 3. イベントや研究紹介を「冷やかし」で見に行く
低学年でも参加できるハッカソンや、学内のオープンキャンパス、公開講座。これらに「まだ詳しくないから」と尻込みするのはもったいない。
「よく分からないけど、行ってみた」という行動そのものが、線を太くする。そこで得た「やっぱり難しすぎた」「ここは面白かった」という生身の感情こそが、後の志望理由にスパイスを効かせることになるんだ。
データが語る「自律的探求」の強み
なぜ、こうした「興味のプロセス」が重要なのか。
経済協力開発機構(OECD)が進める「Future of Education and Skills 2030(Education 2030)」の枠組み(Learning Compass 2030)では、これからの時代に重要な概念の一つとして「エージェンシー(agency)」が位置づけられている。
OECDのコンセプトノートでは、学生のエージェンシーについて、目標を設定し、振り返り、責任をもって行動して変化を起こす力として説明されている。また、エージェンシーは文化や文脈によって捉え方が異なりうる概念だとされている。研究室での活動は、まさに「正解のない問い」に挑む場だ。
先生は、君たちが「自分でスパイスを選び、味を整えようとしてきた履歴(線)」を見ることで、研究室に入った後も自走できるエージェンシーがあるかどうかを判断材料にすることもあるんだ。
Column: 「興味が変わった」は失敗じゃない
「1年の時は化学に興味があったけど、今は情報系が気になる……一貫性がないと思われないかな?」
そんな心配はいらない。むしろ、「なぜ化学から情報へ興味が移ったのか」を説明できるなら、それは立派な「線」だ。 異なる分野を渡り歩いた経験は、将来「情報の力で化学の課題を解決する」といった、君だけのユニークなキャリア(カレー)の隠し味になる。
まとめ:君たちの「仕込み」はもう始まっている
「行きたい研究室に行く」ための戦いは、配属希望調査のボタンを押す瞬間に始まるのではない。
今、このコラムを読み、「へぇ、そうなんだ」と何かを感じたその瞬間が、最初の「点」だ。
専門知識は後からいくらでもついてくる。でも、君たちが何に心を動かされ、どう動いたかという「履歴」は、今この瞬間から積み上げていくしかない。
さあ、まずはテックポータルの記事をもう一つ読んで、気になった単語をメモしてみよう。
その小さな一歩が、数年後、君たちを「憧れの研究室」へと導く一本の確かな線になるはずだ。
次は【3-3-2】低学年からできること:研究に役立つ基礎スキルを身につける。そのスキルの内容と身につけ方について見ていこう。
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参考文献
- OECD, The OECD Learning Compass 2030 https://www.oecd.org/en/data/tools/oecd-learning-compass-2030.html
- OECD, Student Agency for 2030(Concept note, PDF) https://www.oecd.org/content/dam/oecd/en/about/projects/edu/education-2040/concept-notes/Student_Agency_for_2030_concept_note.pdf
- ベネッセ教育総合研究所「第4回 大学生の学習・生活実態調査報告書 データ集 [2021年]」 https://benesse.jp/berd/koutou/research/detail_5772.html
- 経済産業省「『未来の教室』とEdTech研究会-第2次提言(関連PDFあり)」 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/mirai_kyoshitsu/20190625_report.html
