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【3-3-3】低学年からできること:研究室・教員と“顔見知り”になる|研究コラム3『希望の研究室』
「入りたい」の前に「知る」ことから。教員への認知の種まきでミスマッチを打破。低学年から熱々キャリアの準備を始めよう。
このコンテンツは熱々カレーライス主義に基づいて、ちょっとおせっかいで、スパイスの効いた表現や内容にしています。 熱々カレーライス主義って何なの?という方は、まずはこちらをご覧ください。
「教授の部屋のドアを叩くなんて、ラスボスの部屋に入るようなもんじゃない?」
「まだ何も知らない下級生が行ったら、『出直してこい』って怒られるんじゃないか……」
そんなふうに、先生や研究室という存在を、自分たちとは住む世界が違う「遠い存在」だと思い込んでいないだろうか。
でも、研究室配属という「勝負」において、指導教員と“顔見知り”であることは、大きな強みになり得る。 それは単に好感度を上げるという話じゃない。先生にとっても、学生にとっても、お互いの「人間性や適性」を事前に確かめ合っておくことは、ミスマッチという悲劇を防ぐうえで、合理的な動きになり得る。
今回は、心理的ハードルが高いと感じやすい「教員・研究室との接触」を、低学年からどう戦略的に進めるべきか。そのステップを分解して伝授しよう。
「配属させてください」と言う必要は、まだない
まず、大きな勘違いを解いておきたい。研究室を訪ねるからといって、いきなり「ここに入りたいです!」と宣言する必要なんて全くない。
むしろ、低学年のうちから「入りたいです」と決め打つのは、カレーを食べる前に「世界で一番美味しいです」と言うようなもの。ちょっと不自然だよね。
今の君たちがやるべきなのは、「ちょっと味見(情報収集)に来ました」というスタンスでの接触だ。具体的には、以下の3つのアクションだけでいい。
👂 1. 研究紹介を「聴きに行く」
学内で開催されるオープンラボや研究室紹介。これらは「公的な招待状」だ。自分の学年が対象外であっても、将来の関心を伝えたうえで丁寧に依頼すれば、話を聞ける場合は多い。(ただし、大学・教員の方針や時期によって対応は異なる)
❓ 2. 「的外れ」を恐れずに質問する
講義の前後や研究室訪問の際、疑問に思ったことをぶつけてみよう。「こんな基礎的なことを聞いたらバカにされるかも」なんて心配は無用……と言い切るのは難しいが、少なくとも先生が見ているのは「今の知識」だけではなく、「何に興味を持ち、どう考えようとしているか」という思考のプロセスであることが多い。
🪪 3. 名前と顔をセットで「置いてくる」
質問を終えたら、「〇〇学科2年の(自分の名前)です。本日のお話、大変参考になりました。ありがとうございました!」と一言添える。これだけで、君たちはその他大勢の「見知らぬ学生」から、「意欲のある〇〇くん・〇〇さん」へと昇格する。この「認知の種まき」が、後の配属面談で役立つことがある。

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指導教員の本音:実は彼らも「君を知りたい」
ここで少し、先生のデスク側に回って考えてみよう。
先生にとって、研究室配属は「新しいプロジェクトメンバーの受け入れ」に近い。全く面識のない学生が突然やってきて、「成績が良いから入れなきゃいけない」となるのは、先生側にとっても不確実性がある。
「この学生は、粘り強く実験を続けられるだろうか?」
「うちの研究室の空気感(カルチャー)に合うだろうか?」
先生は常にそんな不安を抱えている。だからこそ、低学年のうちから顔を出して、質問に来る学生の存在は、先生が学生を理解する材料にもなる。「事前に人となりを知っている」ことは、指導教員にとっての判断材料になり、結果としてミスマッチを減らす方向に働き得る。
あわせてチェック!:訪問のマナーが不安なら
具体的なメールの書き方や、当日の質問例、訪問後の対応などの「作法」については、こちらのコラムに詳しくまとめてある。戦略を立てたら、次はこれを読んで「型」を身につけておこう。
「顔見知り」から「早期に関わる機会」へ
もし、君たちが特定の分野に強い興味を持ち、指導教員とも良好な関係を築けたなら、さらに一歩踏み込んだ相談をしてみるのも手だ。
大学や研究室によっては、正式な配属時期を待たずに、低学年から研究室の活動にオブザーバーとして参加させてもらえたり、簡単な実験の手伝い(あるいは勉強会への参加)を許可してくれたりする場合がある。
- 研究のリアルを現場で知れる
- 先輩たちから「評判」や「対策」を聞ける
- (分野・研究室の運用次第では)研究成果の発表に関わる機会が生まれることもある(※著者要件やクレジットの扱いは分野・学会・研究室ごとに異なる)
これらは、ただ講義を受けているだけでは得にくい経験だ。もちろん、本来の学業とのバランスは必須だが、もし「やってみたい」という熱量があるなら、相談してみない手はない。
データで見る「教員との接触」のインパクト
アメリカの教育心理学者アレクサンダー・アスティン(Alexander Astin)が提示した「学生関与(Student Involvement)の考え方」では、学生が学業経験に注ぐエネルギー(関与)の大きさが学習や成長に関係するという枠組みが示され、関与の例として教員との交流も挙げられている。
日本国内でも、ベネッセ教育総合研究所の「大学生の学習・生活実態調査」では、教職員との交流や大学生活の満足度、成長実感などを同一調査の中で把握している。
つまり、指導教員と顔見知りになることは、単なる「配属対策」という枠を超えて、君たちの学びの質を上げるうえで意味のあるプロセスになり得る。
勇気という名のスパイスを
最初は誰だって緊張する。声が震えるかもしれない。でも、思い出してほしい。テックポータルが掲げる「熱々カレーライス主義」を。
多少の粗さがあっても、自らアクションを起こす。 その経験こそが、君たちだけのキャリアを作る材料になる。
「先生、ちょっとお話いいですか?」
その一言から、君たちの未来は大きく動き出す。まずは、一番興味のある分野の先生に、講義の後に一つだけ質問することから始めてみよう。
ここまで、「低学年からできること」を3つの視点で深掘りしてきた。 でも、一番大切なのは「今の自分は、理想の場所に近づけているのか?」を客観的に見つめ直すことだ。
次は【3-4】行きたい研究室に近づいているか?セルフチェックで、君たちの現在地を確かめてみよう。
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参考文献
- Astin, A. W. “Student Involvement: A Developmental Theory for Higher Education.”(ERIC収録:Journal of College Student Development, 1999, v40 n5, pp.518–529/1984年原著の再掲である旨の記載あり) https://eric.ed.gov/?id=EJ614278
- ベネッセ教育総合研究所「第3回 大学生の学習・生活実態調査報告書 [2016年]」 https://benesse.jp/berd/koutou/research/detail_5259.html
- 国立教育政策研究所(NIER)研究成果アーカイブ:平成27年度研究成果(WARP保存ページ。高等教育枠に「大学生の学習実態に関する調査研究」等) https://warp.ndl.go.jp/web/20250901122838/https://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/seika_digest_h27a.html
