AIは仕事を奪う脅威ではなく道具。理系は技術理解・翻訳力・創造力でAIを使いこなし価値を生む。
「AIが仕事を奪う」という見出し、もう見飽きていないだろうか?
メディアは不安を煽ることで注目を集めるが、現実はもっと複雑で、実は面白いものだ。
PCが普及したとき、事務員の仕事はなくなっただろうか?
メールが当たり前になって、仕事がなくなった人がいただろうか?
答えは「いいえ」だ。
問題は「何が変わったか」ではなく、「時間をどう使うか」。
そして、理系の君たちには、この変化を“チャンス”に変える力があるはずだ。
AIは「強力な道具」だ。計算・認識・予測が得意な、非常に優秀なアシスタント。
しかし、道具はあくまで道具。使う人間の質によって結果が変わる。
・AIが得意なこと:膨大なデータ処理、パターン認識、反復作業
・人間が得意なこと:発想、着想、文脈理解、戦略的思考、感情の理解
藤井聡太九冠の例を見てみよう。
将棋AIは彼よりも計算が早いが、彼の「人間にしか指せない手」は今でもAIを驚かせる。
日本経済新聞によると、藤井九冠は「AIの計算をどうやって人間が感性として自分のものにできるかが鍵」と語っている。
技術革新の歴史は「仕事をなくす話」ではなく、「仕事を変える話」だ。

PC登場(1980年代〜)
計算作業は自動化されたが、より複雑なデータ分析が生まれた。
メール普及(1990年代〜)
手紙や電話の業務は減ったが、コミュニケーション量は爆発的に増加。
「メールを使いこなせる人」とそうでない人との差が拡大した。
インターネット(2000年代〜)
情報収集の方法は変わったが、「情報を活用する力」が重要に。
Webデザイナーやデータアナリストなど新しい職種が次々に誕生した。
共通するパターンは何だろうか?
「時間の使い方を変えられた人が勝った」ということだ。
オムロン創業者が提唱したSINIC理論によると、私たちは「最適化社会」から「自律社会」へ移行しようとしている。

自律社会では、自立した個人が連携し、人間の感性と技術が融合する。
つまり、AIが進化する時代こそ、人間らしい発想力と創造性が武器になるのだ。
将棋界は、AIと人間の関係を考える上で最高の実例だ。
藤井九冠の強さの本質は、「AIの評価を人間の言葉に翻訳する力」にある。
AIが示す数値を感性で理解し、自分なりの戦略に落とし込む。
これこそが、理系学生に求められる力なのだ。
理想論だけを語るつもりはない。
実際、AIによって職を失う人も増えている。
2025年7月だけで米国では1万人以上がAIを理由に職を失い、2023年以降の累計では27,000件を超えた。
特に影響を受けているのは:
しかし重要なのは「何が残るか」。
AIスキルを求める求人は過去2年で400%増加している。
つまり、「AIを使いこなせる人材」への需要は急増しているのだ。
理系学生の君たちが、これから身につけるべき力は次の3つ。
技術の本質を理解する力
AIがなぜその答えを出すのかを理解し、限界と可能性を見極める。
人間の文脈に翻訳する力
データを「意味のある情報」に変換し、社会の課題解決につなげる。
新しい発想を生み出す力
AIが思いつかない視点を探り、異分野を組み合わせて革新を起こす。
AIを敵ではなく、最強のパートナーとして活用する。
理系学生の君たちには、論理的思考力、問題解決力、新しい技術への柔軟な適応力がある。
必要なのは「視点の転換」だけ。
「AIに仕事を奪われる」と考えるか、「AIで新しい価値を生み出す」と考えるか。
その選択が、君たちの未来を決めるだろう。
時代は変わる。けれども、変化に適応し、それを自分の武器に変える力こそ、人間の最大の強みなのだ。
AIと共に進化する未来の使い手として、一歩を踏み出してみよう。