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【コース9-3】理系のための進め方の技術 ― 日常をキャリアの実験場にせよ|ステップ学習『大学生活サバイバル』

PDCA、時間の使い方、ロジカルな道筋立て、実践力、など「物事をどう進めるか」の技術を学ぼう。

2026/01/05
【コース9の記事一覧は▶をクリック】
コース9大学生活サバイバル:未来に効く日々の過ごし方
9-1理系学生の生存戦略 ― “今”を鍛えれば未来が変わる
9-2日常を科学せよ ― 学生生活が未来を変えるスキルの実験場
9-3理系のための進め方の技術 ― 日常をキャリアの実験場にせよ

日常で磨ける「進め方の技術」

「あの先輩、なんでいつも余裕があるんだろう?」 

その違いを生むのは“能力”ではなく、“進め方”だ。

文部科学省の調査によると、大学生の週あたり学習時間は1年生5.2時間、2年生7.8時間、3年生10.4時間、4年生19.9時間。しかし同じ時間を過ごしても、成果には大きな差が出る。

その差を決定づけるのが、「物事をどう進めるか」という技術だ。

優秀な学生ほど、自然とPDCAや優先順位づけを使いこなし、時間を“構造的に設計”している。

このスキルは研究だけでなく、社会に出てからも強力な武器になる。

大学生活こそが、進め方を鍛える最高のトレーニングの場なのだ。

 

PDCAを回せ ― 小さな実験が成長を作る

PDCA(Plan–Do–Check–Action)は、製造業の品質管理から生まれた手法だが、今では教育現場にも導入されている。

八戸工業大学や崇城大学では、学生がPDCAを意識して学習ポートフォリオを作成し、自己管理力を高めている。

大学生活での実践例

  • Plan(計画):「水曜までにプログラミング課題を終える」
  • Do(実行):月曜2h、火曜3hで集中作業
  • Check(検証):「デバッグに時間がかかった」
  • Action(改善):「次回はテストケースを先に作成」

この“ミクロPDCA”の習慣が、やがて研究プロジェクトや企業プロジェクトを動かす基盤になる。

 

時間を支配する ― 3分ルールと優先順位

集中力は有限だ。米国NIHの研究では、午前10〜12時が最も集中力の高い時間帯とされている。

その時間を「何から始めよう」と迷って過ごすのは浪費に等しい。

  • 3分ルール:3分で決められることは即断する
  • 優先順位づけ:「重要性×緊急性マトリクス」で整理
区分行動例対応策
緊急×重要レポート締切今すぐ着手
重要×非緊急資格勉強スケジュール化
緊急×非重要連絡・返信隙間時間に処理
非緊急×非重要SNS・ネット削る勇気を持つ

“決める”ことは脳のエネルギーを使う行為だ。

だからこそ、「決断を後回しにしない」こと自体が最大の効率化になる。

 

考える力を鍛える ― ロジカルに筋道を立てる

論理的思考は才能ではなく技術だ。

産学連携の教育研究でも、ロジカルシンキングを体系的に学んだ学生は、複雑な課題に対してより高い成果を出すことが実証されている。

理系的ロジック3選

  • 帰納法:複数の事例から一般法則を導く
  • 演繹法:一般原則を個別事例に適用する
  • 弁証法:対立意見を統合し新たな解決策を作る

加えて、「自責思考」を意識すると行動が変わる。

✏️ 他責:「教授の説明が分かりにくい」

💡 自責:「分からない部分を明確化し質問する」

原因を外に求めず、自分でコントロールできる変数に集中する。これが、理系的問題解決の真髄だ。

 

実践力を育てる ― 時間と仮説で動く

佐賀大学の研究では、時間管理能力が学習習慣形成に強く影響することが示されている。

つまり、学力よりも「時間設計力」が成功を分ける。

理系的タイムマネジメント例

  • 朝:論理思考系タスク(数値解析・プログラミング)
  • 昼:実践系タスク(実験・打合せ)
  • 夜:記憶・復習(文献・暗記)

さらに、「仮説→検証→改善」を日常で回す。

例:サークルの参加者が減った

→ 仮説1:時期が悪い/仮説2:告知不足/仮説3:内容が不明確

→ 各仮説を小さく試す → 結果を検証 → 次の施策へ。

失敗はデータだ。

失敗を恐れず、素早く修正できる人が最速で成長する。

 

学び方を学ぶ ― 優秀な人を“観察して盗む”

学習の転移理論によると、優秀な人の行動を観察・模倣することが最も効率的な学習法だ。

観察のポイント:

  • どんな順序で動いているか
  • 判断の基準は何か
  • どこで迷い、どこで即断しているか

加えて、「お金を払って学ぶ」姿勢を持とう。

無料情報では得られない“覚悟”が、有料学習にはある。

月1冊でも構わない。

自分の財布から出した1,500円が、“知識の血肉化”を促す。

 

結び ― 仮説を回す習慣が未来を変える

東京大学とJINSの共同研究では、朝学習を継続した学生の集中力・記憶力が有意に向上したことが示されている。

これは「小さな改善を続けること」の科学的証拠だ。

今日から始められる「進め方スキル」:

  • 3分で計画を立てる
  • 終わったら5分で振り返る
  • 重要×緊急マトリクスで優先順位を整理
  • 「なぜ?」を3回繰り返す
  • 朝の2時間を最重要タスクに
  • 月1冊は自腹で本を買う

大学生活は“進め方の実験場”だ。

理系の技術力に「行動設計力」が加われば、君たちのキャリアは爆発的に伸びる。

仮説を立て、回し、改善し続ける者だけが、未来を設計できる。

 

📊 参考文献

  • 文部科学省「大学生の学習実態に関する調査研究」 https://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/pdf06/gakusei_chousa_gaiyou.pdf
  • 八戸工業大学・崇城大学『学修ポートフォリオによるPDCA教育』
  • 佐賀大学教育学部研究論文集「時間管理と学習習慣形成」
  • NIH「集中力の時間帯に関する研究」
  • 日本工学教育協会「ロジカルシンキング教育の導入」
  • 東京大学×JINS HD共同研究「朝学習と集中力の相関分析」

 

次のコースはこちら→【コース10-1】 AIは脅威かチャンスか?理系学生がチャンスを掴む3つの力