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【コース12-1】「話すのが苦手」は思い込み。理系こそコミュニケーションの達人になれる|ステップ学習『理系とコミュ力』

理系は論理軸という強みを持つ。対人軸を補えば、研究経験を活かし企業が求める高いコミュ力を発揮できる。

2025/12/26
【コース12の記事一覧は▶をクリック】
コース12伝わる?伝わらない?コミュ力って何だ?
12-1「話すのが苦手」は思い込み。理系こそコミュニケーションの達人になれる
12-2理系流コミュニケーションの方程式「聞く×論理×感情=伝わる」
12-3理系の強みを活かしてチームで成果を出す ― リーダーとフォロワーを切り替える技術

導入 ― コミュ力は理系の弱点なのか?

「コミュニケーション能力が足りないんですよね……」

就職活動の面接練習で、理系学生からよく聞く言葉だ。

2025年卒の新卒採用で企業が最も重視する能力は「コミュニケーション能力(以下、コミュ力)」で82.0%。協調性(56.4%)、主体性(46.3%)を大きく上回る。

しかし、ここで立ち止まって考えてほしい。

本当に理系はコミュ力が弱いのだろうか?

研究室で先輩に手順を尋ね、教授に進捗を報告し、同期と論文を読み合う。

学会発表では限られた時間で複雑な内容をわかりやすく伝える。

それはすでに、立派なコミュニケーション能力の発揮だ。

理系学生が誤解しがちなのは、コミュ力を「一つの漠然とした能力」だと思い込むこと。

実際には、論理の力対人の力という二軸で構成されている。

理系が得意な論理軸に、対人軸を少し意識して伸ばすだけで、社会での評価は劇的に変わる。

 

コミュニケーション能力を2軸で分解する

【論理軸】論理的コミュニケーション

  • 筋道立てて話す力
  • データや根拠に基づいて説明する力
  • 複雑な内容を整理して伝える力
  • 仮説→検証→結論の流れで説明する力

【対人軸】対人コミュニケーション

  • 相手の気持ちを理解する(傾聴・共感)
  • 場の空気を読み、発言を調整する
  • 相手に合わせて話し方を変える
  • 親しみや安心感を与える

企業が求めるのは、どちらか一方ではない。

論理的に説明でき、かつ相手の感情を踏まえて伝えられる人材だ。

 

理系が強みを発揮する「論理軸」

研究活動そのものが、論理的コミュニケーションの訓練になっている。

研究の流れ=プレゼンの構造

仮説 → 実験設計 → データ取得 → 分析・考察 → 結論。

これはそのまま、ビジネスにおける報告・提案・プレゼンの型になる。

理系が持つ3つの強み

1️⃣ データで語る習慣 ― 「なんとなく」ではなく、根拠に基づく説明。

2️⃣ 複雑な内容を構造化する力 ― 問題を要素に分解し、整理して伝える。

3️⃣ 「わからない」を「わかる」に変える技術 ― 難解な概念を平易に翻訳できる。

修士2年・材料工学専攻のAさん:

「面接で『研究内容を3分で説明して』と言われたとき、研究発表の流れを意識して話したら“わかりやすい”と評価された。研究で磨いた構成力がそのまま役立った。」

 

理系が伸ばすべき「対人軸」

データだけでは、人の心は動かない。

論理に強い理系だからこそ、感情や文脈への配慮が加わると最強になる。

対人軸で意識すべきポイント

1️⃣ 相手の理解レベルに合わせる

教授と後輩では説明の深さを変えるように、社会でも相手によって話を調整する。

2️⃣ 感情を踏まえた表現を心がける

×「この結果は統計的に有意ではない」

○「期待した効果は確認できませんでした。ただし、別のアプローチで改善できそうです」

3️⃣ アイコンタクトと笑顔を意識する

聞き手を見て話すだけで、伝わる印象が驚くほど変わる。

対人軸を磨く機会

  • アルバイトでの接客や教育
  • サークル・チーム活動での調整経験
  • 学会・研究発表での質疑応答
  • 研究室での雑談や議論も練習の場になる。

 

2軸を掛け合わせると、企業が求める人材になる

企業が評価するのは、「論理と人間力の融合」。

  • データに基づいて判断できる人(論理軸)
  • チームの空気を読める人(対人軸)
  • 技術を非専門者にわかりやすく説明できる人(融合型)

化学系修士卒・IT企業勤務のBさん(入社3年目)

「入社当初は“理系=話が難しい”と思われていたけど、数値とストーリーで話すようにしたら印象が一変した。今では、技術と営業をつなぐ橋渡し役を任されている。」

 

結び ― 論理で理解し、戦略的に伸ばせ

理系の君たちなら、コミュ力向上もデータドリブンで考えられる。

自己診断チェック

  • 論理軸:根拠を示して話せるか?
  • 対人軸:相手の感情を意識しているか?

成長のPDCAを回す

1️⃣ 現状分析:得意と課題を把握

2️⃣ 仮説設定:「対人軸はこうすれば伸びる」

3️⃣ 実践・検証:実際に試し、反応を観察

4️⃣ 改善・継続:トライ&エラーを繰り返す

「理系だからコミュ力がない」ではなく、

「理系だから論理的にコミュ力を伸ばせる」。

研究で培った分析力と構造力を、人との関係づくりにも活かせば、

君たちの“理系流コミュ力”は、最大の武器になる。

 

参考文献

 

次の章はこちら→【コース12-2】 理系流コミュニケーションの方程式「聞く×論理×感情=伝わる」