理系の論理力と協働経験を活かし、状況に応じてリーダーとフォロワーを切り替え、チームで成果を最大化する方法を解説。
「やば、ひとりで抱え込んじゃった……」
研究室の修士1年(M1)が、実験データ解析で行き詰まり、深夜まで悩んでいた。翌日、先輩に相談すると「なんで早く言わないんだよ。みんなで分担すれば1日で終わるのに」と指摘され、目から鱗。
社会に出ると、この「ひとりで完結しない」現実はさらに顕著になる。2025年新入社員の理想職場文化では、7割超が「互いに協力し合い、チームワークを重視する文化」を挙げている。これは理想論ではない。現代のビジネスは複雑で、個人の力だけでは解けない課題ばかりだからだ。
研究の共同実験、アルバイトでの連携、サークルのイベント運営――振り返れば、君たちの成果はいつも「誰かとの協働」から生まれている。就職後に求められるのは、チームで動ける人材。しかも、状況に応じてリーダーシップとフォロワーシップを使い分けられる人だ。
これがすべての基盤だ。
情報を隠さず共有することが、信頼の前提。 研究でもビジネスでも同じだ。
「その方法だと時間がかかりすぎませんか?」と指摘されたとき――
理系の強みは論理的思考。感情に寄らず、より良い解を探索しよう。
修士1年・Eさん(生物工学)
「試薬発注や実験スケジュールをチームで共有し始めたら、全員の効率が上がった。『チームを見ている』と評価されて学会発表の機会も増えた。」
リーダーの仕事は「自分が頑張ること」ではない。メンバーが力を発揮できる環境を整えることだ。
問いかけ型:「成功のために、どんな準備が必要だと思いますか?」
「君たちが担当するなら、どんなスケジュールで進めますか?」
修士2年・Fさん(機械工学)
「『どう思う?』と聞き始めたら、みんなが主体的に動き出し、自分では思いつかない良案が出てきた。」
フォロワーシップ研究(ロバート・ケリー)の文脈では、組織成果の大半はフォロワーの力に左右されるとされる。優秀なフォロワーなしに、優秀なチームは成立しない。
全体リーダーは修士2年のA先輩。データ解析は君たちが一番得意。
学部4年・Gさん(情報工学)
「プログラミングは自分が主導し、全体は先輩に合わせる。強みの掛け算で回り始めた。」
化学系修士卒・Hさん(化学メーカー入社3年目)
「『技術・コスト・スケジュール』の3軸で論点整理したら、議論が一気に進んだ。」
それぞれが得意分野でリーダーシップを発揮し、他の領域では優秀なフォロワーになる。
研究で培った「仮説を立て、みんなで検証し、結論を導く」プロセスは、この双方向型の土台そのものだ。
研究室は、協働力を磨く最高の道場だ。
自分の研究 → チームの成果、個人の成長 → チームのレベルアップへ視点を更新しよう。
理系の論理的思考と協働経験の組み合わせは、企業が強く求める人材の条件だ。
『任される人』から『動かせる人』へ。君たちの協働力が、次のステージでの武器になる。