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【コース11-1】初任給より“10年後の自分”。学歴に振り回されないキャリア設計|ステップ学習『お金のリアル』

学部卒と院卒の違いをデータで検証。初任給差や進学コストを踏まえ、キャリア設計で真に重要なポイントを解説。

2026/01/05
【コース11の記事一覧は▶をクリック】
コース11お金で不自由しないために ― 社会人のお金のリアル
11-1初任給より“10年後の自分”。学歴に振り回されないキャリア設計
11-2月の手取りと生活コストのリアル比較 ― 都会と地方で何が違う?
11-3手取りが“思ったより少ない”理由。税・保険・年金を3分で理解する
11-4お金持ちはどこにいる? 高級外車に乗る人たちの収入源

導入 ― “院卒は本当に得?”という問い

「大学院に進学すれば初任給も高く、将来も安泰」――そんな神話を信じていないだろうか?

確かに、院卒の方が月給が数万円高いというデータはある。

でも、3〜4万円のために2年間という貴重な時間と数百万円の投資をする価値があるのか――ここには“冷静な計算”が必要だ。

理系学生の多くが直面するこの選択。

学部卒で働くか、院に進むか。

この決断は、想像以上にその後のキャリアを左右する。

 

最新データで見る初任給の現実

厚生労働省・令和6年賃金構造基本統計調査によると、

2024年度の学歴別平均初任給は以下の通りだ。

  • 大学院修士課程修了:28万7,400円
  • 大学卒:24万8,300円
  • 高専・短大卒:22万3,900円

差は約3万9,000円。確かに数字では「院卒優位」。

しかし、実際の差を決めるのは“企業規模”だ。

  • 大企業(1,000人以上):約26万円
  • 中企業(300〜999人):約24万円
  • 小企業(100〜299人):約22万円

つまり、“院卒で中小企業”よりも“学部卒で大企業”の方が初任給が高い――そんなケースも少なくない。

さらに地域格差も無視できない。

マイナビ2025年卒データでは、関東と東北で2万円以上の差が出ている。

「どこで働くか」もまた、年収に大きな影響を与えるのだ。

 

“見えないコスト”の落とし穴

大学院進学のコストは学費だけではない。

国立大学院2年間で約135万円、私立理系では約245万円が必要。

しかし、本当のコストは「機会損失」だ。

学部卒で働いていれば、2年間で約650〜700万円稼げた可能性がある。

結果として、

  • 国立院:約835万円
  • 私立院:約945万円

――これが“実質コスト”。

この差額を月3〜4万円で取り戻すには、いったい何年かかるだろうか?

 

生涯年収シミュレーション ― 学歴 × キャリアで変わる“本当の差”

内閣府データでは、生涯年収は確かに院卒が上回る。

  • 男性:学部卒 2億9,163万円 / 院卒 3億4,009万円
  • 女性:学部卒 2億4,397万円 / 院卒 2億8,731万円

しかし、重要なのは職種と業界の選択

  • 研究開発職:専門性が高く、院卒メリット大
  • 営業・企画職:学歴より実績。学部卒が早く経験を積めて有利なケースも
  • 外資系IT・コンサル:成果主義。学歴プレミアムは限定的

“どこで”“どう働くか”が、学歴以上の分岐点になる。

 

「初任給1,000万円」の正体

SNSで話題になる“初任給1,000万円”の企業。

実際に存在するが、それは例外中の例外だ

外資系ITやコンサルでは、採用枠は全体の1%以下。

成果主義・長時間労働・即リストラ。

「お金は増えても、時間は減っていった」と語る元社員も少なくない。

華やかに見える数字の裏には、覚悟とリスクがあるのだ。

 

“学歴ではない”道を選ぶという現実

学歴より実力が評価される分野も確実に増えている。

  • IT/AI開発:スキルがあれば学歴不問
  • クリエイティブ:ポートフォリオが命
  • 起業・独立:成果がすべて
  • 資格職:努力で逆転可能

大学院で2年を費やす代わりに、プログラミングやAIスキルを磨き、

現場経験を積んで年収を伸ばす人も増えている。

結局のところ、業界の選び方が学歴以上に人生を左右する。

 

結び ― 初任給はスタート地点。キャリア設計が未来を決める

初任給の数字に惑わされすぎてはいけない。

重要なのは、10年後にどうありたいかだ。

成功する人に共通するのは、

  • 自分の価値観を明確にしている
  • 長期的な視点でキャリアを描いている
  • 学び続ける習慣を持っている

「学歴はあくまで手段。キャリアの目的は、君たち自身の“生き方”にある。」

それを忘れずに、自分らしい道を選ぼう。

 

参考文献

この記事は2025年9月時点での公的統計データと実体験に基づいて作成されています。個人の状況により結果は異なりますので、キャリア選択の際は多角的な検討をお勧めします。

 

次の章はこちら→【コース11-2】 月の手取りと生活コストのリアル比較 ― 都会と地方で何が違う?