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【コース3-2-1】相手を知り、己を知る|ステップ学習『就活前のそもそも』

孫子の「相手を知り、己を知る」を就活に応用。理系的分析で企業と自分を見極め、“戦わずに勝つ”戦略思考を学ぶ。

2026/01/07
【コース3の記事一覧は▶をクリック】
コース3就活を始める前に知っておいてほしい「そもそも」の話
3-1-1働く意味と経済活動の本質
3-1-2働く意味と経済活動の本質
3-2-1相手を知り、己を知る
3-2-2相手を知り、己を知る
3-3理系学生の“採用される理由”を科学する ― 企業研究が武器になる瞬間
3-4-1理工系コア能力の真価 ― 研究で鍛えたスキルがキャリアを変える!
3-4-2理工系コア能力の真価 ― 研究で鍛えたスキルがキャリアを変える!
3-5「モチベーションは幻想」— 脳科学が教える行動優先の就活戦略

「百戦危うからず」の本当の意味を知っているか?

「彼を知り己を知れば百戦危うからず」――孫子のこの言葉、君たちは本当に理解しているだろうか?
多くの就活本では「企業研究と自己分析をしましょう」という程度で紹介されているが、これはもっと本質的で、戦略的な話なんだ。 

まず、孫子について簡単に説明しよう。

今から約2,600年前、古代中国の春秋時代に生きた軍事戦略家であり、彼が著した『孫子の兵法』は、現代でもビジネス戦略や組織運営の教科書として世界中で読まれている。
なぜ時代を超えて読まれているのか?
それは「戦略思考」の本質が変わらないからだ。

💡 「戦略」の本当の意味

「戦略」という言葉は、“戦いを略する”と書く。
つまり、無駄な戦いを避け、勝てる戦いに集中して勝利を得ること。これが戦略の本質だ。

孫子が説く「戦わずして勝つ」とは、相手と自分を徹底的に分析し、どこで戦うべきか、どこで退くべきかを見極めること。
無謀な戦いを避け、勝てる戦いを選ぶ――これが「百戦危うからず」の真意である。

📋 孫子の教えを就活に翻訳すると

孫子の構造就活における対応
相手(彼)を知り業界研究・職種研究・企業研究
己を知れば自己分析・強みと弱みの把握・価値観の明確化
百戦危うからず戦略的就活の成功

就活で「とりあえずエントリーしまくる学生」と「厳選した数社から複数内定を取る学生」の違いは、ここにある。
理工系の君たちなら理解できるだろう。
実験でも条件を整理せずに試行しても良い結果は出ない。
就活も同じ。
企業が求める人材像と、自分の強み・価値観を照らし合わせ、最適なフィールドで戦う。
それが本当の「戦略」だ。

 

就活は「売り込み」であるという現実

君たちに一つ、覚悟してほしい現実がある。
就活は「お見合い」でも「相互理解の場」でもない。
君たちは「商品」であり、企業は「顧客」だ。
つまり、君たちは営業マンとして自分という商品を売り込まなければならない。🌶️🌶️🌶️

🔥 売れる営業マンの法則を就活に置き換えると

営業マンの行動就活での対応
顧客のニーズを徹底的に調査する企業研究・業界研究を深掘りする
自社商品の強みを把握している自分のスキル・経験・強みを言語化する
顧客ごとに提案内容を変える企業ごとにアピールポイントを調整する
商品の弱点を理解し、補う方法を持つ弱点を把握し、改善や補完策を示す

「なんとなく有名だから」「給料が良さそうだから」という理由で応募していないだろうか?
それは、商品知識ゼロで営業に行くようなものだ。
そんな営業マンから、誰が商品を買いたいと思う?
就活もまったく同じ。
自分という商品の特性を理解し、企業の課題にどう貢献できるかを提案する。
これが“売れる就活”の本質だ。

 

相手を知る ― 企業・業界・職種研究の本質

「企業研究をしましょう」と言われても、具体的に何をすればいいか迷う人は多い。
ここで役立つのが、「心・技・体」のフレームワークだ。

観点意味主な確認項目
心(理性)企業理念・価値観・社会的使命を理解するミッション、ビジョン、創業者の想い、企業文化
技(悟性)応募する職種で求められている技術的能力、素養を分析する事業の技術力・成長性、求められる専門スキル、研究領域との親和性、待遇・安定性
体(感性)組織・社員のフィーリングが、自分が求めるものと合致するかを確認する組織・社員の雰囲気、働くスピード感、職場文化、チームワークの方向性

🎯 企業分析の実践ワーク

  • 心:「この会社は社会にどんな価値を提供しているか?」
  • 技:「どんな技術や事業で差別化しているか?」「必要なスキルは?」
  • 体:「働く人の雰囲気やスピード感、環境・制度は自分に合っているか?」

理工系学生にとって重要なのは、この3要素の掛け算。
心 × 技 × 体 の積が大きいほど、働く満足度は高くなる。
実はこれ、稲盛和夫さんの「考え方×熱意×能力」とよく似た構造なんだ。

 

己を知る ― 自己分析の実践的アプローチ

自己分析は、多くの学生が苦手とする工程だ。
「自分のことが一番分からない」という声をよく聞く。
だが理工系の君たちなら、論理的・構造的にアプローチできる。

自己分析のフェーズ

データ収集フェーズ

  • プロジェクト経験:チームでの役割、失敗と学び。
  • 日常の行動パターン:どんな環境で集中できる?
  • 研究活動:なぜそのテーマを選んだ? どう問題を解決した?

パターン認識フェーズ

理工系の得意分野である「パターン認識」を使おう。
集めたデータから、自分の得意パターン価値観パターンを導き出す。

🔬 理工系学生の武器:メタ認知能力

理工系の君たちは、無意識のうちに「自分の思考プロセスを客観視する力」を持っている。
これを自己分析に活かそう。
「なぜそう判断したのか」「どんな手順で問題を解決したのか」を言語化できれば、それこそが君たちの強みの源泉になる。

心・技・体による自己分析フレームワーク

企業分析と同じく、自分自身についても「心・技・体」の3つの観点で整理してみよう。これが戦略マッチングの基盤となる。

観点内容具体例
心(理性)自分が大切にしているマインド、考え方、理念価値観、人生観、仕事に対する考え方、社会貢献への想い、成長への意欲
技(悟性)自分の技術、専門能力、知識、技術的素養、業務遂行能力専門知識・技術、論理的思考能力、データ分析力、問題解決能力
体(感性)人間性、体力、性格、感情部分、適性性格特性、コミュニケーション能力、チームワーク、ストレス耐性

🎯 自己分析の実践ワーク

  • 心:「なぜその研究を選んだ?」「どんな社会にしたい?」
  • 技:「研究で得た具体的なスキルは?」「どんな思考が得意?」
  • 体:「どんな環境で力を発揮?」「チームでの自分の役割は?」「自分の特徴は?」

この分析を行うことで、“相手を知り、己を知る”という戦略的マッチングが可能になる。
君たちの論理的思考と自己理解力を活かせば、
“戦わずして勝つ”――そんな就活も、きっとできるはずだ。

 

次節では、「心・技・体」のフレームワークを活用したマッチング戦略について解説する。

次の節はこちら→【コース3-2-2】相手を知り、己を知る