【コース3-3】理系学生の“採用される理由”を科学する ― 企業研究が武器になる瞬間|ステップ学習『就活前のそもそも』
企業はなぜ理系を採るのか?採用担当者の本音を分解し、企業研究を“武器”に変えて採用される理由を科学する。
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はじめに:企業研究なしで応募する人が多すぎる
想像してみてほしい。
野球のルールも知らず、自分のポジションも決めず、その球団がどんな選手を求めているのかも調べずに「プロ野球チームに入りたいです!なんとなく格好良さそうだから!」と言う人がいたらどうだろう?
「この人、本気?」と思うよね。
でも、就活ではまさにこれと同じことをしている理系学生が驚くほど多い。
企業の事業内容も職種の役割も理解せず、「大手だから」「安定してそうだから」といった理由で応募してしまう。
プロ野球の例で考えれば分かるように、そんな人は採用されない。
ルールも役割も理解していない人材は、戦力どころかチームの足を引っ張ってしまう。🌶️🌶️🌶️
企業が見ているのは、君たちが今後“戦力になれるかどうか”という一点だ。
だからこそ、相手を理解したうえで「何ができるか」を明確に示す必要がある。
企業が採用する5つの本当の理由
1. ノルマ達成 ― 必要人材数の確保
「今年は理系を50人採用しろ」――こんな目標が人事部に下る。
野球で言えば「投手が足りないから補強しろ」という話に近い。
「正直、理系の学生なら専攻はそこまで重要ではない。化学系でもIT企業で活躍する人は多い。大切なのは“理系的思考力”です。」
2. 成長戦略 ― 将来性重視 vs 即戦力重視
企業の採用には2種類の方針がある。
育成前提で将来性を見込む採用と、即戦力としての採用だ。
「修士の学生は、研究を通して仮説検証や課題解決の手順を身につけている。新しいテーマにも自律的に取り組める人材として期待している。」
| 学歴 | 採用傾向 |
|---|---|
| 学部卒 | 基礎力重視。長期育成を前提に幅広い職種へ配属。 |
| 修士卒 | 研究経験に基づく課題解決力・自律性を評価。技術職の中核候補。 |
| 博士卒 | 高度な専門性を持つ即戦力として研究開発部門へ。 |
3. 人員補充 ― 戦力減少への対応
これは現実的で、最も“スパイシー”な理由だ。
企業の計算式:
退職者(年間3〜5%)+定年退職者+事業拡大分 = 必要採用人数
つまり、君たちは純粋に「補充戦力」として採用されている。
ただし――
一部企業では「3年以内離職率30%」を見越して多めに採用しているケースもある。
その結果、採用数は多く見えても、入社後に同期が次々と辞めていく企業も存在する。
見た目の「採用人数の多さ」だけに惑わされず、企業の実態を見極めることが大切だ。
4. 人員強化 ― 弱点分野の補完
企業は常に、自社の「技術ポートフォリオ」を強化しようとしている。
| 分野 | 採用傾向 |
|---|---|
| 機械・電気系 | 製造業の中核。自動車・電機メーカーなどで安定需要。食品・日用品業界でも採用強化中。 |
| 化学・材料系 | 環境・新素材開発分野で専門性を評価。自動車・部品業界で高ニーズ。 |
| IT・データ系 | AI・DX推進の波で圧倒的な人材不足(超高需要)。 |
| 物理系 | 応用範囲が広く、メーカーからIT業界まで引く手あまた。 |

5. 新部署立上げ ― 新規事業への投資
最も挑戦的で、リスクの高い採用。
経験や知見が必要とされるため、新卒が配属されるケースは少ないが、
その分、成長のチャンスも大きい。
採用担当者の“本音”
面接で本当に見ている3つのポイント
- 「この学生はうちでやっていけるか?」(適応力)
- 「3年以内に辞めそうか?」(定着性)
- 「一緒に働きたいと思えるか?」(人間性)
「理系学生の技術なんて、入社後にいくらでも育てられる。それより“素直さ”と“論理的思考”があるかどうか。これは研修では教えられない。」
理系学生が落とされる“本当の理由”
| タイプ | 面接官の印象 |
|---|---|
| 「コミュ障」タイプ | 技術力はあるが、チームで働けなさそう。 |
| 「視野が狭い」タイプ | 専攻分野以外に関心がない。 |
| 「勘違い君」タイプ | 会社を“自分のやりたいことの場”と誤解。 |
面接官が「即落ち」を決めるNGワード
- 「安定してそうだから」→ 安定志向すぎる印象
- 「研究を続けたいから」→ それなら大学院へ
- 「よくわからないけど」→ やる気が伝わらない
将来性をどうアピールするか?
新卒採用の本質を誤解してはいけない。
企業は新卒に“即戦力”を求めていない。
特に学部生に求めているのは、将来的な成長力だ。
理系学生の「将来性アピール」5ポイント
- 学習意欲: 新しい知識を吸収する姿勢があるか。
- 基礎力: 理系的思考や研究経験をどのように活かすか。
- 適性: どんな環境で力を発揮できるか。
- 成長性: 入社後どう成長したいか。
- 志向性: なぜその分野・企業で成長したいのか。
効果的なアピール例
「私は研究で〇〇に取り組む中で△△という考え方を身につけました。
この経験を活かして、御社の□□分野で新しい知識を吸収しながら成長し、
将来的に貢献できる人材になりたいと考えています。」
完成された専門性を誇示するのではなく、
学び続ける姿勢と成長への意欲を見せることが大切だ。
まとめ ― 企業研究と業界理解がすべて
企業は君たちを“哀れみ”で採用するのではない。
君たちの能力を“投資対象”として評価している。
理系学生の真実:
- 君たちは超売り手市場にいる
- 企業は君たちを必要としている
- 適切にアピールすれば引く手あまた
- だが、戦略を誤れば全落ちもありえる
自分も企業を選ぶ立場であることを忘れず、
市場価値を理解した上で、戦略的に就活に臨もう。
最後にもう一度伝えたい。
理系学生が就活で苦戦するのは「能力不足」ではない。
企業研究不足・職種理解不足・“働くこと”の理解不足だ。
相手を知り、自分を正しく伝えれば、必ず道は開ける。
さあ、就活の始まりだ。
君たちはどんな企業で、どんな技術で、未来を作っていきたいだろうか?
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