【コース4-2-1】君を“データ化”せよ ― 科学的自己分析で見える本当の自分|ステップ学習『自分を知ろう』
自分という未知を科学する。理系的思考で人生をデータ化し、自分を解き明かす“科学的自己理解”のすすめ。
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記事の概要
就活で必ず通る道――それが自己分析だ。
しかし「自分のことなんて分かっている」と思っていないだろうか?
実は、君たちが思っている以上に「自分」という存在は複雑で、まだ解き明かされていない部分が多い。
この記事では、理系の君たちが持つ論理的思考を活かし、ライフライン法・エニアグラム・起承転結人材という3つの手法で自分を解剖していく。
研究テーマから見える価値観、日常の何気ない癖に隠れた本音、そして短所を武器に変える発想転換まで――。
一緒に君だけの「自分マニュアル」を作っていこう。
「相手を知り、己を知れば百戦危うからず」―― 君たちの人生戦略の出発点
孫子の兵法で有名なこの言葉は、2500年前の知恵だが、現代の理系学生にも通じるキャリア戦略の核心だ。
数式や実験データなど、客観的事実と向き合う日々の中で、突然「主観的な自分を知れ」と言われて戸惑うのは当然だ。
しかし現実を直視してほしい。
就活は競争だ。相手は企業であり、市場であり、時には同期の仲間でもある。
相手(企業)を知ることは当然として、もし君たちが「己」を知らずに挑むとどうなるか?
自分の武器が何かも分からず、得意な戦い方もわからないまま、「なぜ戦うのか」すら曖昧な状態で勝負を挑むことになる。
企業に自分という“商材”を売り込むのに、その商材の特徴を理解していない状態だ。
これは就活に限ったことではない。
今後40年以上続くキャリア人生において、「自分を知っている」ということは、幸せに生きるための最強の基盤になる。
技術は時代とともに変わるが、自分への理解は一生の財産だ。
「完璧な答えは存在しない。しかし、君たちだけの答えは確実に存在する。」

理系だからこそ、「己を知る」ことが最大の強みになる
理系の就活市場では、確かに技術力が評価される。
しかしAI技術が進化した今、単純なスキルだけでは差別化が難しくなっている。
企業が本当に知りたいのは:
- なぜその技術に興味を持ったのか
- どんな価値観で研究に取り組んでいるのか
- 困難に直面したとき、どう考え、どう行動するのか
これらの“思考のクセ”や“価値観の構造”こそが、君たちの最大の差別化要因になる。
3章の1で紹介した稲盛和夫氏の成功方程式にもある通り、
人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力
能力だけでなく、考え方と熱意が結果を大きく左右する。
つまり、”君の人間性、価値観、思考パターンこそが最大の差別化要因”になる時代なんだ。
だからこそ、自分の考え方や価値観を理解し、言語化できる力が、君たちのキャリアを飛躍させるのだ。
ライフライン法:君の人生をグラフ化する
📚 ライフライン法とは
ライフライン法とは、自分の人生を時系列でグラフ化し、感情の浮き沈みを可視化する手法だ。
労働政策研究・研修機構の研究によると、この方法はキャリアガイダンス分野で有効性が実証された質的アセスメント技法の一つである[1]。
💡 実践ステップ
- 時間軸の設定:横軸に年齢(10歳〜現在)を配置
- 感情軸の設定:縦軸に感情の状態(-10〜+10など)を設定
- 出来事のプロット:印象的な出来事と感情の変化をグラフ化
- パターンの発見:感情の上下動から自分の傾向を読み取る
【ライフラインチャート実例:機械工学系Cさんの場合】
- 所属・チームワーク因子:仲間がいる環境でプラス、孤立時はマイナスに
- ものづくり志向:手を動かして作る活動で最もエネルギーが高まる
- 意義・目的重視:「やらされ感」に弱く、自分の興味に集中できる
- 技術的好奇心:幼少期から仕組みや構造への関心が一貫
→キャリア適性の予測
チームでものづくりができる環境(メーカー開発部門、ロボティクス企業、スタートアップなど)で力を発揮しやすい。
一方、理論研究を単独で続けるより、協働を通じて成果を出すタイプである。

💡 ライフライン分析のポイント
上のチャートのようにグラフ化すると、感情の波形から自分でも気づかなかった価値観が見えてくる。
特に注目すべきは次の3点だ。
- 感情が高まる共通要因:何があるとテンションが上がるのか
- 感情が下がる共通要因:どんな環境で力を発揮できないのか
- 回復パターン:落ち込んだとき、何がきっかけで立ち直るのか
これらを分析することで、自分の行動パターンとモチベーションの源泉が明確になる。
次節では、人の性格を9つのタイプに分類する手法「エニアグラム」について解説する。
