欲求段階×幸福の4因子を科学的に整理。理系の就活・キャリアに効く「持続的に幸せになる設計図」。
柱1:その場その場のフェーズで欲求を満たす
心理学者A.H.マズローの欲求段階説でも示されているように、各ライフステージで適切な欲求を満たすことが、次の段階への成長を支える。
柱2:4つの因子を意識して大切にする
慶應義塾大学・前野隆司教授の「幸福学」研究によると、幸福感を高める4因子は「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「あなたらしく」。
これらを日常で意識的に実践することが、持続的幸福感(well-being)の向上につながる。
心理学および神経科学の研究では、欲求が満たされた際に複数の神経伝達物質が分泌され、幸福感を形成するとされている。
ドーパミン:達成・期待・新奇性に関連。報酬系(中脳黒質〜側坐核)で活性化。
セロトニン:安定・安心感に関係。主に脳幹の縫線核で生成されるが、体内総量の約90%は腸内で産生されるとされる(腸脳相関)。
オキシトシン:信頼・共感・愛着に関係。視床下部で生成され、社会的つながりを強化する作用がある。
👉 「ドーパミン優位」な現代社会では、達成・刺激を求める傾向が強まり、セロトニンやオキシトシンが不足しがち。
自然に触れる・十分な睡眠をとる・信頼できる人と関わるといった行動が、バランス回復に効果的とされている(出典:東邦大学名誉教授 有田秀穂『セロトニン脳』など)。
前野隆司教授(慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科)の実証研究では、幸福感の高い人に共通する4つの心理因子が以下のような効果を持つと報告されている。
(出典:前野隆司『幸せのメカニズム』(講談社現代新書, 2013))

ポジティブ心理学(M. セリグマンら)の研究では、急激な成功よりも「段階的な成長と達成の積み重ね」が長期的な幸福を高めるとされている。
段階的成長を意識することで:
例:「AIで医療を革新したい」「宇宙開発に携わりたい」「ゲーム業界で革新的な作品を作りたい」
ここでは、神田昌典氏の著書『非常識な成功法則』(フォレスト出版, 2002)に示された「目的地→経済的基盤→理想実現」という考え方を参考にできる。

例:「やりたいことが分からない」「複数分野に興味がある」「とりあえず就職するけれど将来が不安」
この場合は「イマココ(現在)」を大切にしよう。
すぐに明確な夢を見つける必要はなく、今できる範囲で4因子を実践することが、結果的に方向性を形づくる。


・アブラハム・H・マズロー『人間性の心理学──モチベーションとパーソナリティ』産業能率大学出版部、1971年
・前野隆司『幸せのメカニズム──実践・幸福学入門』講談社現代新書、2013年
・有田秀穂『セロトニン脳──幸せをつくる脳のメカニズム』NHK出版、2002年
・マーティン・E・P・セリグマン『ポジティブ心理学の挑戦──“幸福”から“持続的幸福”へ』講談社、2013年
・神田昌典『非常識な成功法則──お金と自由をもたらす8つの習慣』フォレスト出版、2002年