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【コース1-7】幸せになる理屈とキャリア戦略|ステップ学習『幸せを考える』

欲求段階×幸福の4因子を科学的に整理。理系の就活・キャリアに効く「持続的に幸せになる設計図」。

2026/02/18
【コース1の記事一覧は▶をクリック】
コース1幸せとは?学校では教えてくれない「幸せ」について考える
1-0キャリアを考える前に ― 問いから始めよう
1-1幸せになるためにキャリアを考えるということは正しいのか?
1-2小さな幸せを積み重ねる、それがキャリアになる
1-3欲望という名の燃料
1-4心の進化プログラム
1-5幸せの方程式を解き明かす― 4つの因子がキャリアを加速させる ―
1-6理系という特殊解
1-7幸せになる理屈とキャリア戦略
1-8本音で語る ― 理系学生のための偶発性キャリア戦略
1-9幸福OSを設計せよ — 4因子×キャリアの多目的最適化
1-10「可愛い子には旅をさせよ」の科学的真実
1-11世の中は平等か?努力と成果のギャップの現実
1-12きみの価値観は、本当にきみ自身のものか?
1-13幸せと収入を両立する理系キャリア設計術
1-14働くことと幸せ
1-15「幸せは収入だけじゃ測れない」— データで解く、お金と幸福の最適解
1-16「なんとかなる」で実際になんとかなる作戦
1-17「理系の特権を武器に」― お金を育てる4つの戦略と実践ステップ

幸せになる2つの柱(これまでのまとめ)

柱1:その場その場のフェーズで欲求を満たす
心理学者A.H.マズローの欲求段階説でも示されているように、各ライフステージで適切な欲求を満たすことが、次の段階への成長を支える。 

柱2:4つの因子を意識して大切にする
慶應義塾大学・前野隆司教授の「幸福学」研究によると、幸福感を高める4因子は「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「あなたらしく」。
これらを日常で意識的に実践することが、持続的幸福感(well-being)の向上につながる。

 

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なぜこれで幸せになれるのか? 科学的な裏づけ

1. 欲求満足と脳内物質の関係

心理学および神経科学の研究では、欲求が満たされた際に複数の神経伝達物質が分泌され、幸福感を形成するとされている。

ドーパミン:達成・期待・新奇性に関連。報酬系(中脳黒質〜側坐核)で活性化。

セロトニン:安定・安心感に関係。主に脳幹の縫線核で生成されるが、体内総量の約90%は腸内で産生されるとされる(腸脳相関)。

オキシトシン:信頼・共感・愛着に関係。視床下部で生成され、社会的つながりを強化する作用がある。

👉 「ドーパミン優位」な現代社会では、達成・刺激を求める傾向が強まり、セロトニンやオキシトシンが不足しがち。
自然に触れる・十分な睡眠をとる・信頼できる人と関わるといった行動が、バランス回復に効果的とされている(出典:東邦大学名誉教授 有田秀穂『セロトニン脳』など)。

2. 「4因子」と心理的ウェルビーイング

前野隆司教授(慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科)の実証研究では、幸福感の高い人に共通する4つの心理因子が以下のような効果を持つと報告されている。

  • やってみよう(自己実現・成長因子) → 自己効力感の向上、成長マインドセットの形成
  • ありがとう(つながり・感謝因子) → 社会的つながりの強化、ポジティブ感情の増加
  • なんとかなる(前向き・楽観因子) → ストレス耐性・レジリエンス(回復力)の向上
  • あなたらしく(独立・自律因子) → 自己受容の促進、内発的動機の強化

(出典:前野隆司『幸せのメカニズム』(講談社現代新書, 2013))

3. 段階的成長がもたらす「持続的幸福感」

ポジティブ心理学(M. セリグマンら)の研究では、急激な成功よりも「段階的な成長と達成の積み重ね」が長期的な幸福を高めるとされている。

段階的成長を意識することで:

  • 適応的な自己概念を形成できる
  • 各段階での達成感がモチベーションとなる
  • 失敗からの回復が早く、長期的満足度が高まる

 

就職活動・キャリア構築への応用

パターンA:明確な夢がある場合の戦略

例:「AIで医療を革新したい」「宇宙開発に携わりたい」「ゲーム業界で革新的な作品を作りたい」

ここでは、神田昌典氏の著書『非常識な成功法則』(フォレスト出版, 2002)に示された「目的地→経済的基盤→理想実現」という考え方を参考にできる。

第1段階(右への移動):まず経済的基盤を確立
  • 関連業界の安定企業に就職
  • 副業や技術提供で追加収入
  • スキルアップや投資のための資金確保
  • 地方メーカーでの堅実なキャリアも選択肢
第2段階(上への移動):理想実現に向けて挑戦
  • 経済的余裕を背景に新規プロジェクトに参加
  • 社会貢献度の高い研究・開発へシフト
  • 起業や転職による理想の具現化

パターンB:夢が見つからない・迷っている場合の戦略

例:「やりたいことが分からない」「複数分野に興味がある」「とりあえず就職するけれど将来が不安」

この場合は「イマココ(現在)」を大切にしよう。
すぐに明確な夢を見つける必要はなく、今できる範囲で4因子を実践することが、結果的に方向性を形づくる。

 

学生生活での実践例

  • やってみよう:新しい研究テーマや技術イベントへの挑戦
  • ありがとう:教員・友人・後輩への感謝、知識の共有
  • なんとかなる:実験失敗を学習機会と捉え、改善を重ねる
  • あなたらしく:興味や価値観に正直な研究テーマを選ぶ

就職活動での実践例

  • やってみよう:多様な業界・職種へのエントリー、新しい自己分析手法の試行
  • ありがとう:面接官や採用担当者への感謝、支援者へのリスペクト
  • なんとかなる:不採用を糧に学びを得て次へつなげる
  • あなたらしく:自分の価値観に合う企業選び、独自の志望動機の構築

 

次の章はこちら→【コース1-8】 本音で語る ― 理系学生のための偶発性キャリア戦略

 

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参考文献

  • アブラハム・H・マズロー『人間性の心理学──モチベーションとパーソナリティ』産業能率大学出版部、1971年
  • 前野隆司『幸せのメカニズム──実践・幸福学入門』講談社現代新書、2013年
  • 有田秀穂『セロトニン脳──幸せをつくる脳のメカニズム』NHK出版、2002年
  • マーティン・E・P・セリグマン『ポジティブ心理学の挑戦──“幸福”から“持続的幸福”へ』講談社、2013年
  • 神田昌典『非常識な成功法則──お金と自由をもたらす8つの習慣』フォレスト出版、2002年